消滅したm2304b群の分解分析

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 M2304b群は蜂友Mさんから近親交配予防のために預かった2群のうちの1群。青柳式の巣箱、24時間監視カメラ、無線温度計を設置するなど、研究目的で飼育している、一番力を入れている飼育群だけに残念だ。
 朝一番に天気予報を見ると、「あと50分で雨」という雨雲予想。急いで起床した。念の為、面布で完全装備した上で、分解作業に取り掛かる。最上階のユーティリティを開けると、ニホンミツバチ1匹(だけ)飛び出してきて、数匹のハチノスツヅリガが走り回る。

 <想定原因>
 全群消滅の推定原因は女王蜂の変調→産卵数減少→蜂数減少→最後はスムシと考えられますが、特定するには至りませんでした。今後、無線温度計AirLoggerや24時間監視カメラの動画映像などを分解分析結果と合わせて検討することで、原因を究明し再発防止したいと思います。

 <分解分析の結果>
  まず、王台の確認です。新女王蜂が、生まれる王台ですが、合計9個目視で確認できた。すなわち、分峰以降に巣板が成長していなかったことが伺えます。写真の記載はありませんが、巣内観察用の監視カメラの過去映像を見ると、蜂数が徐々に減少している様子も見て取れます。この2点の観察結果から、女王蜂の変調や女王蜂が交尾飛行中にツバメに捕食されたことによって、産卵が中断しその結果、寿命で死亡する蜂を増員できず徐々に群が消滅していったと推測されます。
 女王蜂が健在だったと仮定した場合は、女王蜂の変調の原因を考える必要があります。この点は、自身で反省しなければいけない面があると考えます。それは、蜂友MさんからM2304b群を預かった後に、①日にちをあまり置かずに4m程度移動したということと、②無線温度計を設置する際に、誤って天板部分の巣板を大規模に破壊してしまったこと③無線温度計をインストールを2回にわたって行ない、振動・衝撃をかけた。③青柳式の環境(しかし、他の群は問題なし)④赤外線暗視照明付き24時間監視カメラ(しかし、他の群は問題なし)での観測④無線温度計センサーを竹串に固定して6箇所設置。場所によっては巣板を貫通し、破壊してしまった。センサーのインストール作業は2回に渡って行った。
 別の可能性としては、王台が複数(9個)確認できることから、無王群の特徴である働きバチ産卵という減少が発生し、蜂数が減少したのではないかという推測も成り立ちます。M2304b群は4月8日にMさんから受け取ったのちに見ている限り、一回も分蜂は発生しませんでした。ちなみに、2209群は3回の分蜂を確認しましたが、王台は4個のみ確認できました。9個の王台は明らかに数が多く、分蜂が1回も発生てしないことは不自然に感じます。
 そして、最後はスムシ(ハチノスツツリガの幼虫)の総攻撃を受けたということです。

 しかし、一点不明なのは巣板に全くハチミツが残っていなかったことです。逃去であれば分かるのですが徐々に蜂数が減少して全滅した場合にこのような状況になるかはよく理解できません。

  • 女王蜂の変調
  • 産卵数減少
  • 蜂数減少
  • 最後はスムシの総攻撃

<反省点>

  • 気がついていながら放置してしまった
    • 24時間監視カメラを設置したものの、レンズ保護のために包んだラップが劣化する事で、画質が徐々に劣化して観察が困難になっていたのに修復せずに放置していた。
    • 24時間監視カメラの赤外線照明が暖かいせいか、ハチがカメラレンズに集まってしまい、レンズ直上を徘徊するためハチのアップになって全体の観察に支障をきたしていたのに改善できなかった。
    • 24時間監視カメラの画像データのNAS収集がWiFiの帯域の関係で追いつかず、1週間程度遅れになる場合があった。変調を自覚した時点で、NASのデータではなく24時間監視カメラ(ATOM CAM2)に装着したローカルメモリを取り出してでも確認するべきだった。
    • 「ニホンミツバチは野生のもの」という考えで、過干渉を避ける考えのベースがあった。しかし、全滅まで放置するのはどうか?再考が必要だ。
    • 変調に気がついた時点で、もっと強く疑問を持って蜂友先輩やネットの情報をもっと深く調査すべきだった。
    • 24時間監視カメラへの過信。「後で録画記録を見ればいいや」と画像の確認のしにくさも相まって、せっかくカメラがあるのに、リアルタイムでの画像観察を怠った。
  • 温度計設置が雑だった
    • 全く言い訳にならないのだが、この巣箱は貰い物で内部構造をよく理解していなかった。本来は構造を確認してから設置するなり、製作者に確認してから天板を外すべきだった。しかし、温度計が届いた翌朝早朝に作業をしたいがために確認を怠った。そのために、当該の巣板の天板部を破壊してしまった。
  • ニホンミツバチの優先度が下がってしまった
    • 4月に分蜂が発生し、更に蜂友先輩から2群提供を受け一挙に6群となった。そのため、一つ一つの巣に対する関心が相対的に薄れてしまった。
    • 4月以降、イベントが多くウチを空ける事が多かった。また、夏野菜の植え付け準備や旅行やキャンプ、更にGarminのランニングプログラムを実行することの優先度があがり、ニホンミツバチの優先度が相対的に下がってしまった。