10/23に追加の温湿度計を設置し観測を始めた。観測目的は、
1 入居巣箱内(BOX1)の露点を越える高い湿度の原因調査
2 巣箱内の温度の調査(最適な居住空間容量は?)
本当は温度は氷や沸騰を使った複数点でオフセットとゲインとリニアリティを合わせたいところだが、動作保証外なので簡易的に他の温度計と調整可能なオフセット(ゲイン・リニアリティ調整機能はなし)だけを合わせています。まあ、相対値としては合っているだろうといことで。
結果(温度)
1 10/28AMに冬場の北風対策として、BOX1(ブルー)の防風パネル設置工事を実施。10/28PM-30AMの外気(オレンジ)に対してBOX1の変化はほぼない。ただし、10/29の『風よけパネル完成』のレポートで述べた通り、早朝や夜間には1℃程度の温度UPの寄与がある。
2 10/30AMに蜂友のアドバイスを受け重箱を4段→3段縮小この影響で約1℃程度BOX1の巣内温度が上昇した模様。10/30-11/01の外気(オレンジ)に対してBOX1の変化は1℃程度の温度UPの寄与がある。これは、蜂球とセンサーが近づいた効果というよりも巣内の容量が小さくなった効果のように推測される。
しかし、想定した蜂球温度35℃は計測できず、センサー位置に工夫が必要。
3 外気(オレンジ)に対してBOX2(グレー)は振幅方向にプラス・マイナススパイクしている形になっているが、これは空箱の熱容量と板厚t=35の効果だろう。
4 外気(オレンジ)に対してBOX2(グレー)は時間方向には遅延がない。これは空箱の熱容量が小さい(空っぽ)ためだろう。逆にBOX1(ブルー)は巣箱内に蜂蜜が存在するために比熱が大きいと推測される。(空気20℃ 1006-1030[J/kg ℃]、蜂蜜1420[J/kg ℃]
結果(湿度)
1 外気(オレンジ)に対してBOX2(グレー)はほぼ同じ波形になっている。巣箱自体は対環境湿度にあまり影響しないと思われる。しかし、長期の雨や大雨などで巣箱自体が吸湿してしまった場合は影響が出ると思われる。
2 10/30AMに蜂友のアドバイスを受け重箱を4段→3段縮小この影響で約1℃程度BOX1の巣内温度が上昇した模様。10/30-11/01の外気(オレンジ)に対してBOX1の変化は1℃程度の温度UPの寄与がある。これは、蜂球とセンサーが近づいた効果というよりも巣内の容量が小さくなった効果のように推測される。
しかし、想定した蜂球温度35℃は計測できず、センサー位置に工夫が必要。
3 外気(オレンジ)に対してBOX2(グレー)は振幅方向にプラス・マイナススパイクしている形になっているが、これは空箱の熱容量と板厚t=35の効果だろう。
4 外気(オレンジ)に対してBOX2(グレー)は時間方向には遅延がない。これは空箱の熱容量が小さい(空っぽ)ためだろう。逆にBOX1(ブルー)は巣箱内に蜂蜜が存在するために比熱が大きいと推測される。(空気20℃ 1006-1030[J/kg ℃]、蜂蜜1420[J/kg ℃]
考察
1 露点を越えるような高い湿度について、ネガティブなイメージを持っていたが、蜂友Mさんの「ミツバチ達が一生懸命蜜を集めている証拠」というヒントをもらい、ある程度ポジティブな指標と考えるようになった。
2 2点間の温度勾配を試算してみる。
巣箱内の空気の熱抵抗
■現在のニホンミツバチの巣と温度センサーの距離は40cm程度
■断面距離を巣箱の寸法から10cmと仮定
■空気の熱伝導率 k = 0.026 [K/W]
■熱抵抗 Rth = (1/k) * (L/A) = (1/0.0026) * (0.4/0.1)
=1.5*10^3[K/W]
■つまり温度差15℃程度(35℃ – 20℃)を有意に検出するためには、15/(1.5*1000)程度、つまり5mm以下とかの蜂球の至近距離に設置しなければならないと思われる。(検証必要)←電通大論文*1 は上蓋からセンサーを下げる式
設置 | メーカー | 名称 | 規格 | |
BOX 1 | 入居巣箱内の底板 | Govee | WiFi温湿度計 | H5179001jp |
OutSide | 入居巣箱外の環境温湿度 | Govee | WiFi温湿度計 | H5179001jp |
BOX2 | 空の巣箱の底面 | Govee | WiFi温湿度計 | H5179001jp |
底面 | 高さ | 板厚 | 容量 | 材質 | 表面処理 | メーカー | |
BOX1 | 275×275 (300×300) | 420 (490) | 25 | 31.7L | 杉 | なし | 高文研 |
BOX2 | 255×255 (290×290) | 580 (620) | 35 | 37.7L | 杉 | 焼入れ | 週末養蜂 |
以上
*1 寺田充樹『養蜂のためのカメラ画像を用いた外敵の検出に関する研究』電通大 令和元年度修士論文