2021/02/03の日経朝刊に掲載された英フィナンシャル・タイムズの記事(1月29日付)。米国版のエディター ジリアン・テットが執筆。炭素排出側の「茶色」と環境保護を訴える「緑色」の二項対立を超え、石油企業のエリクソンの一部の株式を保有するアクティビストファンドのエンジン・ナンバー1は企業を「オリーブ色」にする重要性を理解しているとする。
「北風と太陽」ではないが、私にはこれが現実的なアプローチだと思える。ノアの方舟に鳩がオリーブの葉を運んで、平和を知らせたように「オリーブ色」のエネルギー革命は我々に平和を知らせるものと信じたい。
前略
炭素排出側の「茶色」と環境保護を訴える「緑色」が対峙する構図はわかりやすかった。
中略
環境活動家は世界を緑色と茶色のどちらかに分類することを求めており、欧州委員会も事業が環境配慮型か否かで似たような分類を目指している。しかし、目先の問題は、いずれかに分類することではないはずだ。茶色の経済活動の被害をできるだけ早く減らし、緑っぽい茶色のドレン度に映ることが重要だ。
このため、21年は「オリーブ色の年」と呼ぶ方がふさわしいかもしれない。本当に需要なのは「オリーブ色」の企業がどれ程早く事業を明るい緑色にできるかだ。
『脱炭素「オリーブ」の視点を』ジリアン・テット 英フィナンシャル・タイムズ(2021/1/29) 日経朝刊(2021/02/03掲載)