2月中旬に有機配合肥料、微量要素やフルボ酸などの土づくりを行って、2月23日に土壌診断のためにの土の採取を行った。3月15日の検体集荷で本日の結果報告という非常に早いレスポンスに驚かされる。実は、土壌分析は間に合わないだろうと勝手に判断して簡易土壌分析キット(みどりくん)の結果を下にトマトの定植予定地に施肥してしまったが、少し手直しが必要だろうと考える。
<北の畑:トマト予定地>
自分のイメージでは長く耕作放棄されている元水田の畑なので、昨年天地返しを行い地質改良を行ってきたつもりだった。秋にもみ殻の大量に投入により多少のチッ素不足は懸念していた。今回、データでこの想定は裏付けられた。
しかし、pHは最近導入したデジタル酸度計と簡易分析キットはよく合致していたので、この結果は予想外であった。pHとチッ素不足を解消するため、チッ素(尿素)は何かのタイミングで投入しようと考えていた。しかし、尿素は中性なので酸性度の高い硫安*2を施肥するのが妥当。(ドキドキ)投入量の設計はこれから実施する。(Xprojectスタートまで待つか・・・)
リン酸とカリが過剰であり、分析会社作成のレーダーチャートから外れるほどであった。リン酸の過剰については、ホクレンのQ&A*1によるとトマトは適応範囲であり、玉ねぎはギリギリダメで、ダイコンはアウト(聖護院ダイコン不作の原因か?)。いずれにしても、畑からリン酸を減らすことはできないので、放置するしかない。今後、過剰施肥とならないようにつとめることが大切だ。
問題はカリウム。目標値の4-8倍で過剰とのこと。ホクレンのQ&A*3では「(カリの)蓄積の原因は多くの場合、たい肥、スラリーやデンプン廃液などカリが多い資材を施用したにもかかわらず、カリを減肥しなかったことにあります。対策としては緑肥の導入*4があります。これは、全くの偶然でありますが、パイオニアエコサイエンスのソバージュ栽培に関するセミナーで「地温の一番低いのがリビングマルチ」という情報を得て、「あついぞ熊谷!」の隣接地域である当地でもリビングマルチとして緑肥の「てまいらず」(大麦)を今春から導入しようと考えました。
簡易分析 | 土壌分析 | 目標 | 判定 | 自分のイメージ | |
pH | 6.5 | 7.7 | 6.0-6.5 | +++ | pHは適性だと考えていたが 大きく外れていた。 |
電気伝導度(EC) | N/A | 0.21 | 0.0-0.3 mS/cm | ± | 悪くはないが相対的に窒素 不足を示唆。予想通り。 |
石灰(CaO) | N/A | 350 | 220-360 mg/100g | ± | 悪くはない。予想対象外。 |
苦土(MgO) | N/A | 84 | 30-50 mg/100g | + | 過剰だが、これでOK. 予想通り。 |
カリ(K2O) | 50 | 190 | 25-40 mg/100g | +++ | 目標値の4-8倍で過剰。簡易分析 も同様。しかし考慮はせず予想外。 |
リン酸 | 25 | 71 | 20-40 mg/100g | ++ | 目標値の2-3倍で過剰。簡易分析 も同様。しかし考慮はせず予想外。 |
CEC(推定) | N/A | 16 | 10-25 me | ± | CEC(陽イオン交換容量)は養分の キャパを示すようだ。適性。 |
塩基飽和度 | N/A | 130 | 71-86 % | ++ | 目標値の2倍弱で過剰。塩基飽和度 は養分の充填度を示す=過栄養状態 |
石灰/苦土比 | N/A | 4.2 | 7-10 | — | 苦土が過剰である。 |
苦土/カリ比 | N/A | 0.4 | 1-2 | — | カリが過剰である。 |
<コメント>
リン酸・カリが多いので、窒素分主体の肥料を選定しましょう。
可給窒素は「地力」と読み替えます。適性な地力です。有機物で継続的に土づくりしましょう。
塩素飽和度が大きいので土壌改良資材の施用は避けましょう。
<総合所見>
土づくりに良質な堆肥を投入しましょう。
*1 http://www.hiryou.hokuren.or.jp/qa/q02_06_01.html
*2 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum10.pdf
*3 http://www.hiryou.hokuren.or.jp/qa/q02_07_02.html
*4 https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/ryokuhi_manual03_carc20200420.pdf