『経営戦略の論理』再考と失われた30年

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先日、母校のビジネススクールの大同窓会があるというので、プレミアムいちごの営業も兼ねて参加した。このビジネススクールでは恩師が2名いる。ゼミの指導教官で現在は新潟県の国際大学の学長でもあるエネルギーの専門家の橘川先生、私が同校への入学のきっかけにもなった、一橋大MBAや理科大MOTの設立に尽力された見えざる資産や適合理論、人本経営で有名な伊丹敬之先生(大教授)である。

当日、自分が先生への挨拶が遅れて冷や汗をかいたが、「僕の新刊買ったよね?」と言われ、「はいもちろん、ごもごも・・(買ってない、なんならさっきまで知らなかったし)」今年のNo1の大失敗、大失態です。

実は、講演会にも登壇された組織論の高橋克徳(J.Feel社長)先生は『不機嫌な職場』の著作でも有名。同氏の近刊、『静かに分断する職場』について、を紹介するときに、伊丹先生も近刊『経営は無理をしろ、無茶はするな』が出版されていることに触れていたが・・・その時に、すぐ調べてKindleでも発注すべきだった。ミス。

同窓会後、あわてて、同書を入手。40年近く前の伊丹先生の有名な『経営戦略の論理』で取り上げられている、「オーバーエクステンション戦略」についての記述である。伊丹先生は日本の「失われた30年」を「無理をしなくなってしまった」ことが原因であると結論づけた。これは、正に実感にピッタリ合う。リスクを声高に発言したり、度を越して起こりもしないコンテンジェンシーばかりに注力したりそういう人材ばかりが重用される場面が多かったように感じる。実績主義と言えば聞こえば良いが、要するに「(実績のない)新しいことはやらない主義」に陥っているのではないか?

さて、今更ながら、伊丹先生のオーラルヒストリーを読み直す。『経営学者のこゝろ(V)』
https://barrel.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=-pyear&search_type=2&q=657

同論文によると、「オーバーエクステンション戦略」の源流を辿ると、伊丹先生の『経営戦略の論理(第2版)』や『新・経営戦略の論理』が初出のようだ。あわせて、『人本主義経営』と『場のマネジメント』もポチった次第。ダブル発注になってなければ良いが・・・