ニホンミツバチの巣箱に温湿度計を取り付けて、1ヶ月が経ちました。温湿度環境んひついての分析を行ったので報告します。温湿度測定はニホンミツバチの飼育管理において、有効な手段だと考えます。
- <結論>
- <温度について>
- 外気温度と空巣箱(30mm板厚)の温度は2℃程度に保たれている。空巣箱の熱容量で、多少蓄熱効果が発生する場合がある。(図1)
- 外気温の測定環境に問題があった。原因は隙間を無くす目的の黒テープの直近に温度センサーをセットしたため、テープが熱吸収することで温度が上昇していた。11/27AM対処。(図1)
- 巣箱内の蜂球直近の温度は20-25℃に保たれている。巣箱内の底板部では巣門で入り口に近いためなのか、外気温の影響を受けており、その影響で誤差が発生している。ケーブル式熱電対センサーの導入で改善。11/7対処済み。対処前のデータは採用しない。(図2)
- 11/12の下重箱の撤去により、1-10℃程度蜂球直近の温度が上がった印象。(図2)
- 11/18に3日間に渡って、x3希釈のえひめAIを巣箱に噴霧した影響なのか、11/27以降に巣箱内蜂球直近の温度が2-3℃UPした。蜂数の増加との因果関係が推測される。
- <湿度について>
- ニホンミツバチの巣箱内の湿度は外気とは関係なく、蜂球付近では常に95%以上に保たれていた。(花の蜜を正常に濃縮している証拠)
- 巣箱内の底板部では巣門で入り口に近いためなのか、外気湿度の影響を受けている。また、えひめAIの巣箱内噴霧の影響で誤差が発生している。
- <課題と考察>
- 来年にはニホンミツバチ入居の上で、板厚の違いの影響を比較検討したい。
- 巣内湿度は巣内温度とともに、飼育管理の指標になりうると考えるが、管理ポイントは今後の課題である。
- これから、本格的な冬になるが、強風や雪と巣箱内温度の関係を明らかにしていきたい。
- また、夏場の温度上昇とその対処も今後の課題である。
- 熱電対ケーブル付きの温度センサーは現在Bluetooth方式しか通信方式がなく、データ管理上工数がかかるだけでなく、ワーニングのメッセージをリアルタイムで受け取るという面でも課題がある。