『マッキンゼーが読み解く食と農の未来 』

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晴耕雨読ではないけれど、夏場の日中は熱中症のリスクが高く農作業はできない

コロナの影響でお出かけもできない夏休み、コンサルがレポートする日本の農業を読んでみた。

きちんとフレームワーク(8つのエレメント)を最初に示しているところがコンサル的で、

5フォース+PEST分析(Politics, Economic, Social, Technology)=8つのエレメント。

網羅的な理解をざっくりするには良い資料だった。同書の結論は2点、

  • 生産性を高められる可能性(アグリテックなど)。今後、現状の玉石混淆からROIで選別。
  • 食と農のバリューチェーンをつなげる価値。オーケストレーターの重要性
    • 食と農の編集者(山﨑追記)

山﨑がなるほどと思ったのは、3点

  • 一つ一つのイシューに対して、きちんとデータエビデンスがついている安心感(資料的に使える)
  • 上流プレイヤー(農薬・種子・肥料など)の海外メジャー優位はしばらく変わらない
  • 食と農の編集者の重要性(仕事の専門化が行き過ぎた弊害か→エレクトロニクス産業も同様)

①マクロエコノミクスの変化

  • 人口増加+中間所得層増加=農作物需要がx1.5
  • 主要穀物(小麦・大豆)輸出入のダイナミクスが大きく変化
  • 栽培環境のリスク
    • 水資源の枯渇
    • 農地不足
    • 自然災害

②技術革新

  • 農業を抜本的に変えるようなイノベーションが誕生する
    • AI
    • ドローン
    • トラクターの自動運転
  • CRISPRゲノム編集(狙った位置に変異を入れることができる)
  • バイオ農薬(細菌・微生物を使った、ケミカルでない農薬)

③政策・規制の変化

  • 農業大国の政策転換(中国の保護政策の転換=とうもろこし輸入)
  • 米中貿易戦争の影響
  • SDGS パリ協定1.5℃シナリオへの対応

④食習慣・ソーシャルファクターの影響

  • より健康的な商品の需要増加
  • 肥満が社会の的=肉消費の変化→代替タンパク質
  • フードロスへの関心

⑤上流プレイヤーの変化

  • 海外メジャー優位:国産はすぐの供給は難しい(農薬・種子・肥料など)
  • ジェネリック農薬の期待
  • 農地と労働力確保

⑥消費者ニーズの変化

  • 国内米需要低下傾向
  • 農作物の海外需要(香港・台湾)
  • オーガニックなどのプレミアム品
  • eコマースの台頭
  • Uber Farming, 垂直型農園

⑦代替品・代替手法の進化

  • 土壌を使わない高品質農法(フィルム栽培)
  • クラウドファンディング

⑧新規参入プレイヤー

  • 機械メーカ、ハードウェアメーカーの農業参入
  • 物流業者によるコールドチェーン
  • アグリテック企業を取り巻く投資家の登場