なぜ、光合成農園の昔トマトは青臭くならなかったのだろうか?品種的には青臭くなるはず。土の質だとか環境だとか他の原因の可能性はあるだろう。まずは、青臭さの原因物質の特定のためネット検索、、、 「病害虫がいない=青臭さの原因物質のトマチン合成不足」という微妙な結果に。代表的な記事を引用します。箇条書きはサマリー。
- 青臭さの原因はトマチンでじゃがいもの苦味と同じアルカロイド
- トマチンは有毒で虫がつかなくなる作用もある
- つまり、美味しくするために青臭くなくすと、病害虫にやられやすくなる
- 青いトマトは有毒成分が含まれているので、大量摂取は危険
青臭くないトマトの代償
完熟果で収穫できる品種が主流になる前、トマトはまだ青みがかなり残った状態で収穫され、流通していました。そのころのトマトは色にたがわぬ独特の青臭さがあったもので、その青臭さからトマトが嫌いになった人もいたのではないでしょうか。
ジャガイモを光に当てて放置しておくと皮の下が緑色になって独特の苦味が出てきます。あの苦味の正体はソラニンというアルカロイドで、特に芽に多く含まれており、食べると中毒することで有名です。それに良く似た物質がトマトの青臭さの正体であるトマチン(tomatine、図1)です。このトマチンにも苦味があり、大量に食べると下痢やおう吐などの中毒症状を起こします。そのため、人はトマチンの含有量の多い野生のトマトから、トマチンが果実に残らない青臭くない品種を育成してきました。
興味深いことにこのトマチンは人間だけでなく昆虫や病原菌にも嫌われる成分で、天然の忌避成分として役に立っています。トマトのハウスに入ると未熟な果実などよりもはるかに強烈な青臭さがトマトの茎や葉から放たれていることに気付くと思います。この青臭いトマトの葉には完熟果実の2500倍ものトマチンが含まれており(表1)、病害虫に寄生されるとさらにその含有量が増します。そのため、病害虫がトマトに寄生するにはトマチンを克服するほかなく、トマトは比較的、病害虫の種類が少ない作物の一つになっています。とはいえ、食用にするためにトマチン含有量が少なくなるよう選抜されてきた品種には、野生のトマトのようにトマチンだけで敵を防ぐ力はありません。人間は「青臭くないトマト」の代償として、トマトを害する病害虫を増やしてしまったのですね。おいしいトマトを作るための苦労は続きそうです。
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